水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

新大谷池(兵庫県神戸)

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ニュータウンの中に「ダム便覧」掲載の5基の池が集結する井吹台ダム群における、マボロシの6基目となる池谷南ダムの東側にある池。
池の規模は池谷南ダムとほぼ同じながら、いったい何が池とダムの違いを分けたのか、ここにヒントがありそうな予感。
二つの池は170mしか離れていない。
ダムと池との境界はどこにあるのか。二つの池の写真を並べてみよう。

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左が新大谷池、右が南大谷ダム


池の規模や形状が類似しているだけに、違いが分かりやすかった。
ズバリ、湛水面の高さが明確に異なる。
新大谷池に比べ、南大谷ダムは周囲の土地に対して明らかに湖面が低い。
この二つが純粋な溜め池だった時代を考えると、この水面高の違いはほぼ堤高の違いを暗示している。
井吹台ダム群において、ダム名が付くものは、ニュータウン造成前はハイダムスペックの溜め池であった可能性が高いことが推定され、名前だけのなんちゃってダムではなく、それなりの根拠あるダム群であることが分かった。

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