「●●洞(ほら)池」という池名は、美濃の野池ならではという感じがする。
三方を小高い丘陵に囲まれ、湾曲した長めの堤で堰いたこの池を上から見おろすと、なるほど「洞」という言葉が似合わなくもない。狭い谷を堰いた谷池タイプとも、平地にぐるりと堤を築いた皿池タイプとも異なる趣きがある。
地図上ではひとつの池であるが、実際には堤によって二つに分かれている。上下二段の池にもみえるし、中の島を両岸から堤で結んだひとつの池ともみえるが、微妙に高さと水の色が異なるので、二段構成の上下の池と考えてよさそうである。
この中堤は中央部がふくらんでおり、あずまやが設けられている。自然護岸でタイルやコンクリートの補強はなされていない。
それにしても、なかなか風情のある池であるが、釣り等、魚の捕獲は禁止されている。