水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

もみじ池(滋賀県信楽)

滋賀県陶芸の森。

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 もみじ池は信楽焼(しがらきやき)の体験型ミュージアムである滋賀県陶芸の森の中にある調整池。
 

タヌキの置物のイメージが強いけど。

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 信楽(しがらき)。名は聞いたことはあってもその場所をすぐに思い浮かべるのは難しいかもしれない。
 忍者でも有名な甲賀と伊賀の里を隔てる山嶺の西麓に位置し、大戸川に沿ってのどかな里山の景観がひろがる。町の中心部にある信楽駅は甲賀側から川筋に沿って走る信楽高原鉄道信楽線の終着駅でもある。
 信楽焼(しがらきやき)といえば、居酒屋の店前なんかに立っている狸の置物のイメージが強い。日本六古窯のひとつに数えられており、まさか狸だけではあるまい。しかし他のイメージがなかなか出てこない。
 信楽は昔から陶芸にむいた良質の赤土を多く産出する。この土の恩恵もあり、他産地では難しいような大きな焼き物も得意としてきた。傘立て、洗面器から風呂桶まで。一般家庭というより産業用。時代の要請、クライアントの要望にこたえ、産する土と同じ柔軟性で、それこそ小物から大物まで何でも作ってきた。
 だから、信楽焼をひとことで表そうとすると、赤土の素朴な風味を残した何某とか、かくかくしかじかの色合いとか、そういう具体物ではなく、小物から大物まで産業の需要にこたえられるというところかもしれない。見上げるような大きな狸の置物はまさにこの土地の産地としての特色を体現していた。
 小高い丘の上にある滋賀県陶芸の里では、そんな信楽焼のさまざまな可能性を作品や資料で鑑賞することができる。また、丘を下れば大小の窯元が通りに置物を並べている姿を見ることができるだろう。

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丘を下ると大戸川と平行した道沿いに窯元が営む店がいくつも。
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