みつごいしいけ。
それは継子いじめとして成立するのか。
池畔に三つ子石という大岩がある。てっぺんに小さなお地蔵さんがすわっている。深い傷あとのようなくびれが穿たれ、足もとには少し大きな地蔵が並ぶ。
昔、この地に住んでいた意地悪な継母が先妻の残した幼子をいじめようと、この岩を池まで運びなさいと言って背中に縄でくくりつけたところ、熊野大権現の御加護によって岩は軽々と持ち上がったという伝承が伝えられている。岩に刻まれているくびれは、このとき縄をかけたあとだという。
しかし三つ子というが当時は数え年。今でいう一歳か二歳の幼児に対して、岩を運べと言ったところでいじめが成立するのか。かえって喜んでしまうんじゃないか。現実的に考えると、お仕置きとして縄で岩にくくりつけて放置したと考えるのが妥当だろう。
異聞もある。熊野という姓をもつ怪力の武士が岩を運んだという説。この話では「三つ子」の名の由来にはからなまい。
二つの伝承で共通するのは「熊野」だ。権現さまか武士かの違いはあるが、いずれにしてもパワード・バイ・クマノである点は掘り下げてみる価値がありそうである。
大物のひそむ釣り場としても。
へらぶな、ブラックバスともに地元では昔から大物釣り場として知られていた。訪れたときに確認できたのはブルーギルだけで釣り人もいなかった。
看板によるとボート釣りは禁止されているが、おかっぱりはオーケーのようである。
アクセス路は二車線。駐車スペースは微妙な感じ。