キンギョが生息するミステリアスな山池
日本二百名山の奥羽山脈・焼石連峰の北端にある標高570mの山池。
鉄道駅のある錦秋湖から山腹にある湯川温泉までは快適な二車線路。温泉街から道幅がせばまり情緒が出てくる。奥湯の先からは家もなく、さらに狭い舗装林道に。
この林道沿線に湯川沼への登山口が二つある。ブナ、ミズナラの森を抜ける尾根コースと沢コース。いずれも駐車スペースあり。
沢コースは往復50分。沼一周30分ほど。
標高はそれほど高くはないが、闊達な稜線上にあるので天空感はなかなかのもの。成因は断層湖ではないかと思うが、まるでクレーター湖のようなみごとな形状に惚れ惚れする。
1mから数メートルほどの浮き島は風が吹けば右に左に漂い、詩情を誘う。浮き島は岩手県の天然記念物にも指定。水面を彩るヒツジグサの開花は7月下旬。
気になる生息魚類であるが、いつごろ誰が放流したのか、けっこうな数のキンギョがいるようだ。いつかこの池でキンギョ釣りをやってみたいものだが、湯田町自然環境保全地域に指定されており動植物の採取が禁じられているので、町の許可を得る必要がありそうだ。
草刈正雄主演の映画『風の又三郎』(1989年)ではロケ地にもなり、映画パンフの表紙を飾っている。
アクセス路の林道は冬季閉鎖あり。






マークした場所は、沢コース入口の駐車スペース。