陸の孤島ともいえる室戸岬近くにある西山地区は、海抜100m以上の豪快な海岸段丘地形。国道を走っているだけで目を奪われる。
この段丘上には農地といくつかの溜め池がある。ここでブラックバス釣りを名指しで釣り禁止にしているという情報があったので、興味をもった。海釣り天国の室戸まではるばるやって来て、わざわざ小さな野池でブラックバス釣りをする人が、そんなにたくさんやって来るとしたら、いったいどんな池なのか。
広域農道沿いに野池が点在するが、広域農道が完成する前は、池に近づくだけでもたいへんだったろう。軽トラ幅の狭隘で急坂の農道が迷路のようだ。
広域農道のおかげで池に近づくのはかなり容易になったが、それでも農道に入り込まないといけない池が多い。ひとつか、ふたつの池に会えればいいなと思っていたが、広域農道の入口を過ぎたあたりで、いきなり「釣り禁止宣言の区域」との横断幕が。
「釣り禁止宣言」とは初めて聞いた言葉だ。宣言するようなことでもないような気もするが、地元の人の怒りは深いようだ。一方、池自体には柵も看板もなく、意外である。
このあたりは池名が分からないものばかりだったが、幸いにも工事の看板でひとつの池名が分かった。
その名も、悪坂池。
知る限りでは池名に「悪」が付くのは埼玉県の悪太郎沼ぐらいしかない。