水辺遍路

訪れた全国1万1,100の池やダムを独自の視点で紹介

鷽ノ口円形分水(長野県佐久穂)

うそのくちえんけいぶんすい。
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円筒分水池は公平な水分配のための秘策として全国に分布するが、「円筒」ならぬ「円形」分水なるものは初めてかも。
円筒分水は中央のサイフォン吐出口から噴き出させた水を、円筒型の堤にオーバーフローさせ、その円弧の長さで細かな分水ができる仕組みだが、ここはオーバーフローさせずに円筒の側面に47の穴、ダムでいうところのオリフィスみたいな穴が穿たれている。
でも、なんで47? 忠臣蔵の四十七士?
この穴の数で農地の規模に合わせて各集落に分水。水争いがあれば、藤蔓を使ったくじ引きによって、割り当てる穴の数を調整。(藤蔓分水)
ただ、オーバーフロー型と違って目詰まりしやすく、穴が塞がるとせっかくの公平性が〜、ということで、ゴミ取り機械が設けられている。
それだけに47もの穴から弧を描いて水が吹き出る姿は、他の円筒分水にはない個性。しかし、あろうことか、上から撮影したために肝心の穴水を見落とし。またもや見落とし。
まあ、こんなマトはずれなアングルからの写真は他では見られないので、これも個性?
アプローチ路は地図で見ると一本ズレた道に進んでしまうので、掲載したGoogle マップに正しいアプローチ路入口をマークしておいた。

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拙著『日本全国 池さんぽ』で採り上げた円筒分水(p96)


マークした場所は、鷽ノ口円形分水への入口。