水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

水練水馬池(福島県会津若松)

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「日本初のプール」のレプリカ池。本家の伝統はスポーツクラブで守られる?

この池がある日新館は江戸時代、会津の藩政改革の中で、改革の根っこには教育ありとの気合で建校された藩校。これは今でいえば名門高校みたいなもので、幕府の最高教育機関である昌平坂学問所(東京湯島・東大の前身)への進学率が全国の藩校でもトップ3に入る水準にあったというから、開成高校やラ・サール高校といった感じだろうか。
文武両道を基礎とし、水泳にも力を入れていたようで、全国でも初といわれる水泳練習池、つまりプールを造ったのである。甲冑を着ての水練も行ったというが、服を着ているだけでも泳ぐのは大変なのに、甲冑となればそうとうな泳力がないと沈みそう。マイケル・フェルプスが体にオモリを巻き付けてバサロ立ち泳ぎをやる練習で息も絶え絶えになっていたことを思い出した。
藩校で他にプールを持っていたのは長州藩の明倫館だけだったというから、のちに日本の未来を賭けた戦いをする会津と長州は、先見性でも他藩の一歩先を行っていた。

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現在の水練水馬池を含む日新館は昭和62年に、もともとの場所とはまったく違う山裾に、残っていた図面をもとに再建されたもの。本来の水練水馬池があったのは鶴ヶ城の西側である。
現在、その跡地のあたりには、その名も日新館スポーツクラブの屋内プールがあり、もしかしたらそちらの方が本家本元の日本初のプールの伝統が守られているというべきか。
入場料620円。9:00〜17:00。年中無休。

http://www.nisshinkan.jp/www.nisshinkan.jp

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水練水馬池とは別に、大成殿の前には堂々たる半円形の池が待ち構える。
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駐車場と日新館全景。
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マークした場所は駐車場(無料)

白虎隊をしのぶ水辺めぐり

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戊辰戦争でぼろぼろになった鶴ヶ城の模型。向かいの小田山から放たれた明治政府軍のアームストロング砲で、天守閣に穴が開いている。
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一六橋は猪苗代湖の渡り口となる橋があり、会津若松防御上の重要地。現在は会津と郡山の東西両方に水を供給する一六橋水門がある。
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激戦の地となった戸ノ口原は、現在の鍋沼のあたり。
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戸ノ口洞穴を敗走ルートに使った白虎隊。このあと、歴史に刻まれた悲劇が。
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オフィシャルマップ


マークした場所が駐車場。


<アーカイブス>
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