水辺遍路

訪れた全国1万1,100の池やダムを独自の視点で紹介

照月湖(群馬県長野原)

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浅間山を映す絶景の池が消失。

戦前の昭和6年に築造された溜め池で、当時の名称は楢沢池。
冷涼な北軽井沢の標高1,048mの開拓地にあった地域のシンボルのようなレジャーレイクとして成長し、冬場はかつてスケート場、その後、ワカサギ釣り場に、夏場は蛍の乱舞やバードウォッチングが楽しめた。
宝島社が池の所有権を取得してからは池は私有地となり、入園料500円が必要。湖畔には日本ではめずらしい乗馬エンデュランス競技の普及をめざす施設も。
堰体から眺めると雄大な浅間山をバックに息を飲む絶景が広がっていたが、2019年10月の台風で堰体が決壊。池の水はすべて抜けてしまった。
2020年に訪れた際も復旧の動きは見られず、無残なロストレイクの姿をさらしていた。
大きな溜め池がここまで壊れる姿を見たのは初めてだが、通常の溜め池であれば、農家や土地改良区が日常の管理を担い、不具合を早期発見し、改修工事にも補助金などの仕組みが適用されるが、私有地の場合はどのような管理になるのか、考えたこともなかった。
地元の多くの方が復旧を望んでいるようだが、所有者の判断に委ねられるのだろうか。今後を見守りたい。

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崩落した堰体


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