「池」の名をもつ波食ポットホール
島根半島の安山岩質の侵食海岸にできた波食タイプのポットホール(甌穴)。
全国には数多くのポットホールがあるが、明確に「池」という名が付けられているものは希少である。
満潮時は波をかぶる瀬棚の一角に、みごとなヒョウタン形をした潮だまりがある。外海と違って水面は透き通って底が見え、この穴を穿ったドリルストーンも沈んでいる。たまたま近くにあった二つのポットホール が連結してヒョウタンの形になったと考えられる。
アプローチは少々、厄介だ。断崖に囲まれた半島の先端の方にあるため、海からボートで行くか、断崖下の狭い瀬棚を400mほど渡渉するかしかないのだが、潮が満ちてくると足を置ける場もなくなってしまう。地元のジオサイトオフィシャルページでは落石の危険があるので歩いて行かないようにとの記述もあった。
現地に行ってみると、瀬崎の漁港の端に海岸に出られる階段があった。大潮翌日の干潮2時間ほど前だったが、瀬棚は波をかぶっていた。近くには、瀬崎の崩落火道、ドンド穴、瀬崎の戍(まもり)展望台といった見どころもある。
次の機会にはカヤックでのアプローチを試みたい。
マークした場所はヒョウタン池のピンスポット位置