水辺遍路

訪れた全国1万1,450の池やダムを独自の視点で紹介

西ノ湖(栃木県日光)

さいのこ。
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「遺留湖」という成因。

中禅寺湖のインレットにあたる千手ヶ浜の奥に位置する、湖周1500m級の天然湖。というより、もとは中禅寺湖の湖頭にあたるところが、土砂堆積か山体崩落による堰き止めによって分離して生まれたと考えられている。
海ならば海跡湖、川ならば河跡湖(三日月湖)のカテゴリに入るものだが、湖の場合はどのような分類名になるのだろう。湖跡湖?
ウィキペディアには「遺留湖」という言葉が出ているが、はじめて聞いた。調べてみても西ノ湖の説明以外には見あたらない。造語かもしれないが何となく雰囲気が伝わるので悪くない。
それにしても、マイカー規制に伴う低公害型シャトルバスの終点がある千手ヶ浜千手ヶ原一帯はかつて湖底にあったのかと思うと、中禅寺湖はまさに日本一のスケールをもつ山上湖と唸らされる。
西ノ湖の手前側だけでなく奥側もフラットな地形になっているが、そのあたりまで太古の中禅寺湖の領域が広がっていたということか。
ラムサール条約登録湿地

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奥日光の水辺めぐりマップ ver3.01。水辺遍路謹製。

アプローチはシャトルバス利用か、自転車+徒歩で。

西ノ湖に会うには、中禅寺湖や湯の湖のようにマイカーで手軽に、というわけにはいかない。7kmほどの舗装アプローチ路がマイカー規制になっているため、シャトルバスを利用するのが一般的。
ただ徒歩のほか自転車で入ることも認められているので、無料の竜頭滝上駐車場にクルマを停め、そこから折りたたみ自転車などを投入すればバス時刻を気にすることもなく、マイペースで楽しめるだろう。ただ多少のアップダウンはあるし、ほとんどバスしか通らない舗装林道とはいえ、道幅は狭いのでサイクリングの際は安全に注意を。
また、シャトルバスの運転手さんの話では、明るい晴れた日中以外はけっこう熊が出没するというので単独行での徒歩、自転車は用心を。
シャトルバスの起点は赤沼車庫でそちらにも無料の県営駐車場がある。
今回、竜頭滝上駐車場から徒歩で向かったが、マイカー規制区間に入ったところで折りよくバスが来たので、そのまま乗車した。7kmほどバスに揺られ、西ノ湖入口というバス停で下車。ここから小さな吊り橋を渡り、徒歩20分ほど。ゆっくり歩いても30分で西ノ湖に着く。
秘湖と呼びたくなる静寂の水辺が待っていてくれた。

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西ノ湖への遊歩道と西ノ湖入口のバス時刻表。


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案内板。


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竜頭滝(左)、中禅寺湖に注ぐ川(中)、竜頭滝上駐車場(右)


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マークした場所は西ノ湖登山口。