【龍泉寺】
神話にも出てくる。池そのものが御神体の池。
紀元前の神話にその名が見られ、もとは龍王山の中腹に点在した沼沢群だったようだ。この場所に堰体が築堤されたのは江戸時代。さらに明治時代に嵩上げ工事が行われ、現在の姿になった。
池は八大龍王の御神体とされ、堤の下に龍泉寺の伽藍が広がる。霊場でもあり、水が流れ落ちる滝は行場になっており、7月の御瀧祭りでは二基の御輿が池の堤の上を渡御し、赤鳥居をくぐって浜降り。
宮入りならぬ滝入りでは、池の水を引いた滝に担ぎ手もろとも神輿が突入して観客を沸かせる。どうやらこのとき神輿の屋根ははずされているようだ。神輿には願主が願い事をしたため、竹串に刺した祈願旗(流し札)がびっしりと納められているが、滝に突入する際に札が流れて竹串だけになる。これをもって龍王に願いが届くという。竹串はお守りとして持って帰る。明治時代に始まった神事のようだ。
ため池としての機能は? 貯水量の目安の五合岩。
池岸の一角には、貯水量が半分になると姿を現す五合岩という石がある。
堰体下には水田もあるが、あくまで境内なので宿坊用だろうか。これだけ大きな池が滝の水源など神事専用とは考えにくいので、下流側にある溜め池と連携しつつ地域の田畑も潤していると思われる。次に行く機会があれば滝への導水路や取水設備も確認してみたい。洪水吐はあるようだ。
境内には龍王池のほかに、トンボ池と長池も。
千本を越えるモミジが秋を彩る。
湿地ではサギソウ、トキソウも。ハッチョウトンボ自生地。
マークした場所は駐車場。(トイレあり)