ろくどうのつつみ。
現在の伊那市街地と、かつての城下町である高遠城とを結ぶ街道の中ほどに、田園地帯と溜め池群がある。池は棚池状で、山城である蟻塚城趾からのびる山裾に点在。仮にこれらを笠原蟻塚城ため池群と呼ぶなら、最下段に位置する六道の堤はその総代としての風格を有する。
六道の堤のおこりは、江戸後期にトンネルを含む全長10kmの井筋(水路)開削と合わせ、地元の陳情によって住民動員のもと築造された。
信州の中山間部という立地で溜め池を「堤」と呼ぶ池文化も興味深いが、池の構造は堤をめぐらせた皿池タイプで、中央に松の木が群生する立派な中の島をもち、歴史と信仰が醸す空気に包まれる。
桜とアルプスの絶景撮影スポットとして多くのカメラマンが春を待ちわびる。
池の流れ込み側には石を配した護岸の特別な小池がありました。
どういう役割をもっているのか、興味深いものです。