「松原湖」じつは湖沼を集めたグループ名
松原湖というと、映画『君の名は。』の聖地としても知られる小海高原の観光の目玉でもあるレジャーレイク。しかしじつは「松原湖」という名は、湖1つ、沼5つと池1つの計7つの総称であって、グループ名なのである。
このうちスター3湖だけのユニット、つまり猪名湖、長湖、大月湖の3湖をもって「松原湖」、全7湖沼で「松原湖沼群」と呼ぶ場合もある。
グループのリーダーである猪名湖のことを、いつからかグループ名の「松原湖」で呼ぶようになった。嵐のリーダーの大野さんが、いつのまにか嵐さんと呼ばれるような感じだろうか。
池の個別名とユニット名が別々に与えられた正しい例としては、三重県の伊賀三ツ池が挙げられる。
三人組ユニット「松原湖」。その出自の秘密・・
猪名湖、長湖、大月湖の3湖ユニット「松原湖」は、「天然」を売りにしている。
確かにこの三湖は大月川から取水した水が通水しているので兄弟湖ともいえるが、空撮して驚いた。
大月湖だけは堤構造を持った人工池(発電用調整池)で、どうやら松原貯水池*1という名称があったらしい。
つまり天然由来の松原湖群にあって、ひとり大月湖は人造池という異なる出自を持っている可能性がある。この不都合な真実。いつしか松原貯水池の名は大月湖という天然湖のごとき名で上書き消去され、そして池名とユニット名、グループ名を撹乱するという高度な隠蔽工作・・おっと、また妄想が暴走・・とにかく正確に言おうとすれば、こうなる?
大月湖調整池と、猪名湖など松原湖沼群。
ながっ。というか、もっと分かりにくい。
ラインナップ
臼児池など四沼
臼児池(うすごいけ)、鶉取池(うずらとりいけ)の二つはGoogle マップでも位置特定できたが、桷木池(ずみのきいけ)・オシデノウミ(?)は消失した可能性もあるが、せめて跡地の位置を特定したい。それと、後述する「八那池」は?
松原湖には、じつは八番目の池があった?
松原湖沼群、幻の八番目の池? 八那池
千曲川から松原湖に上がっていく道に八那池というバス停や地名を見つけた。松原湖からの水力発電所は、八那池第一発電所という。
しかして、八那池はいずこに?
学術研究の歴史も古い
松原湖には1910年代から、おもに水生生物分野での学術調査が入っていたようである。日本の湖沼学の黎明期から注目されていたといえそうだ。
学術研究の対象として世界的に注目された池としては、同県阿南の深見池がある。
空撮写真
Google マップ
マークした場所は町営大駐車場。トイレあり。
*1:鈴木静夫「松原湖群湖沼の水生菌類」(昭和37年)の中に見られた名称だが、現在はこの名を用いた用例は見あたらなかった