水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

東池(和歌山県和歌山)

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ここ東池は行政区としては和歌山市に属するが、溜池文化圏としては海南野池群の辺縁にあたる。堤が不明瞭で周辺の土地よりも池の水面の方が低い皿池タイプの農業用溜池。利水はポンプを介して行われる。
池の東岸にぴったりと高速道路が寄り添い、南端で池の上を高架が横切っている。夏場は高架下が涼しい陸っぱりポイントになるが、訪れたときは生臭い匂いが少々、強かった。
東池では2016年と2017年にホテイアオイが周長1.3kmの湖面を埋め尽くしてローカルニュースとなった。とはいえ訪れた際はヒシモがちょろちょろ見られるぐらいでホテイアオイは見あたらず。農業関係者のあいだではポンプを詰まらせる厄介者だったので、徹底駆除されたのだろうか。あるいはこれから、いっきに殖えるのか。
ホテイアオイが健在であれば、青紫の花が一面に広がるのは7月から。
同植物は南米原産の水生植物(浮き草)。メダカの産卵床や観賞用としても売られており、ウォーターヒヤシンスとも呼ばれる。
水中のチッソを固定する働きから池の浄化に効果がある一方、旺盛な繁殖力のためにあっという間に湖面を埋め尽くし、「青い悪魔」となって水辺環境を破壊する場合もある。

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高架奥のインレットにはヨシ群落も見られ、魚類の自生環境を備えている。
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