江戸時代初期に農業用水供給のため開削された導水トンネル。現在もなお現役で水田を潤している。以下、現地の案内板より。
亀田の水穴は、水田に必要な水を引き、土地をうるおすために掘りぬかれた灌漑用トンネルです。
亀田地区は古来より水利が悪く、この地より2kmも上流から水を引いていましたが、途中の漏水がひどく、水田に十分な給水をすることが出来ませんでした。ところが江戸時代の初め、この地に来た鉱山師の羽生太郎左衛門が、ここの人たちの苦労話を聞き、水量が豊富で、比較的近距離にある亀ヶ谷川の水を引き入れることを思い立ちました。そして、津和野の商人青江安左衛門に相談して資金を借り、岩盤をくりぬく工事を始めました。工事は寛永年間(1624~43年)に始まり、全長およそ60m、水穴の入口約80cm四方の濯漑用水路が、正保2(1645)年2月18日に見事完成しました。
この水穴の完成によってさらに耕地が開かれ、現在も 3町歩の水田をうるおしています。亀田の人たちは、羽生・青江両氏の恩を忘れまいと、水穴が完成した2月18日(新暦になってからは3月18日)には、毎年、全戸が集まって感謝祭を行っています。