水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

鶴喰池(三重県伊賀)

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インレット側は水没した草地が、ちょっと変わった味わいを出していた

喰われたのは、ほんとうに鶴なのか?

伊賀野池の多密地帯にあるボスキャラ感のある池で、橋のような中堤で分割された三つの池のうち西の一角を占める。ほかの二つの池がヨシ原を蓄えるのに対し、この鶴喰池は水没した牧草地のような感じ。湿原の山池を思わせるちょっと変わった味わいで、平地にある野池の顔とは思えない。
それにしても「鶴喰池」とは、また何とも物騒なネーミングである。この湿原のような水没した草むらに誘われて鶴が降り立つや、ガボッと引きずり込むヌシの正体は・・ワニぐらいしか思いつかない。
名に「喰」が付く池を全国的に見ていくと、同じ伊賀市内の蛇喰池をはじめ、兵庫県には小鳥喰池と大鳥喰池という兄弟池があり、そのぐらいならかわいいものだが、埼玉県の馬喰沼となるとシビれるものがあり、長野県の舌喰池に至ってはいくらなんでもヤバすぎである。
さて、鶴喰池のネーミング。疑っているわけではないが、合っているのか不安もある。というのもカーナビでは三ツ池となっており、現地の碑文で「●喰池」との文字は確認できたが、「●」の部分がよく判読できなかった。鶴ではなく、じつは違うものが喰われていたら?

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カーナビの中では「鶴喰池」ではなく「三ツ池」と記載されている。


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右側の石碑に刻まれた碑文冒頭に、「●喰池」の文字が確認できる


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そういう目で見ると、不思議な魅力をそなえる水上の草地はどことなくトラップを思わせなくもない。誘われ、喰われ


マークした場所は駐車スペース(2〜3台)