退蔵院は妙心寺に境内の一角を占め、池のある庭園は特別な区画として拝観料が必要。
退蔵院は日本の水墨画の元祖ともいえる国宝「瓢鯰図(ひょうねんず)」を所蔵。絵には鯰が泳ぐ池と、それを瓢箪で捉えようとする男の姿が描かれている。
精神世界を表す禅の世界観をモチーフにした絵なので、少なくとも現在の姿のような豪快な作庭技術で体現された池が絵のモデルになったわけではないが、池は「ひょうたん池」と呼ばれる。
池はけっして大きくないのに、流れ込みの渓流部分の存在感がすごい。さらさらと流れる水だけでなく、視線もおのずと奥にある池に落ちていく。昭和の小堀遠州こと中根金作の作庭。
小さなスペースに深山幽谷の雄大さ。あらためて瓢鮎図と見比べるとおもしろい。
マークした場所は駐車場。