水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

洞川湖(兵庫県神戸)

洞川砂防ダム、洞川人造湖。
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たぐいまれな好遇を与えられた砂防ダム。

まずその水の色の深さ。鏡のような湖面。これはこの池を訪れる人なら誰もが思うらしい。
「湖」という名前がついているものの、実は国土交通省が管理する砂防ダムが形成した、のぞまれぬ池である。カーナビには「洞川人造湖」といういびつな名前が表示されている。
不思議なことに砂防ダムは、そもそも貯水が目的ではないためか湖沼マニアからもあまり相手にされず、ダムマニアからもダム扱いされていない。実際、洞川砂防ダムの堤高は15mあり、立派にダムスペックを満たすにもかかわらずダム便覧に記載はない。
そんな苦境にもかかわらず、洞川砂防ダムは水辺では最上位の「湖」の呼称が与えられているだけでなく、キャンプ場を擁し、岸辺には遊歩道もある。かつては釣り桟橋も備えていたようだ。
砂防ダムといえども、こんな事例もあるという意味で全国の砂防ダムに勇気を与える存在だ。
ただ六甲山系の湖沼は、何か説明できない烏合の気みたいなものを感じる。この池の水の色の深さにも。

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