北アルプス屈指の天上湖。
標高2,060m。あまりにも有名なこの池について、多くを語る必要はないだろう。
サンダルこそ厳しいがスニーカーでも会いに行ける天界のオアシス。ただ、費用と時間がかかり観光客も多く、静かに池と向き合うためにはよほどの運が求められる。
黒菱林道の終点にマイカー駐車場があり、そこから3kmの八方尾根自然研究路があることが分かったので、費用をかけずに平日の早朝などを狙って行く方法もあったかと思うが、黒菱林道が通行止めだったこともあり、ゴンドラリフト前の500円の有料駐車場を使い、往復2900円で3つのリフトを乗り継いでいく一般的な観光ルートをとった。
まず乗り物だけで往復2時間、さらに徒歩が往復2時間。手軽とはいっても費用だけでなく時間もかかる。混雑していたらなおさらであろう。
この日は雨の予報だったため人出はかなり少なめで、山の上はずっと厚い雲に覆われていたが幸運にも池に着くとわずかな晴れ間に恵まれた。
岩屏風のような後背のアルプスの猛々しさと植生の逆転が、八方池特有の水辺景観をうみだしている。池の成因は氷河によるモレーンだろうか。尾根下の小さなテラス状の小庭に池があって、そのすぐかたわらは奈落に切れ落ちており、けっこうスリリングな立地。
雲のスピードが早く、岩屏風が隠れたり現れたり、水の色もめまぐるしく変わる。じっくりシャッターチャンスを待ちたかったが、ぞくぞくと後ろから軽装の外国人観光客が。
三つのリフトのうち、二つ目のリフトを降りたところにある鎌池までの行程は鎌池のページに記したので、ここでは三つ目のリフトからの行程を。