【ふるかわぬま】
二度の大津波に見舞われた沼
一度はチリ地震津波で水没し、人の力で復興した。その後、陸前高田の市街地化が進み水質が著しく悪化。その対策が進んでいたさなか、東日本大震災の津波に呑まれて池畔にあった高田松原とともに一度は海に没し、ひとたびはロストレイクとなった。
何度も危機と再生をくり返してきた波乱の経歴。
東日本大震災までは岩手県最大の天然湖沼だった
成因は、もともと広田湾の一部だった場所が気仙川河口に形成された300mの砂州によって陸側に閉塞され生まれた。いわゆる潟湖(せきこ / 海跡湖)であり、海水との往来がある汽水湖でもあった。また、古川沼を海と隔てる砂州が景勝地として古くから知られた高田松原である。
太古からの津波の痕跡。地史学的にも貴重
1960年のチリ地震津波をはじめ、過去に何度も津波に没しているため、湖底に津波堆積物が残されており学術的にも貴重である。
海近の池が過去の津波の証拠の保存庫として学術調査が行われたケースとして、蟹ヶ池(高知県土佐)、畭町大池(徳島県阿南)、蒲生田大池(徳島県阿南)、佐和田の浜礁湖(沖縄県下地島)などがある。
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道の駅の併設した沼として再生
現在は「奇跡の一本松」や崩壊した建物などを含めた復興祈念公園の一部として古川沼と高田松原が再生された。
公園の案内板のマップにもしっかりと「古川沼(Furukawa Marsh)」と記されていた。
公園は道の駅と一体型となっているので散策しやすい。私が訪れたときは、沼の方はまだ工事中で入れなかったが、近いうちに美しい水辺公園として多くの人が訪れる池になりそうだ。
スミソニアンチームが視察
2020年2月、スミソニアン環境研究所チームが来日して視察したことがNHKのニュースに。
Googleマップ
マークした場所は道の駅の入口。