桐谷健太・栗山千明主演の映画で、掻い掘りロケ地に。
映画のロケ地をめざす聖地めぐりがさかんだ。
そんな聖地でも、これほど腰くだけな聖地もめずらしいだろう。しかも映画のクライマックスともいえるシーンである。この池を実際に掻い掘り(水抜き)してロケを行なったのだ。
当初、映画で観たイメージではもっと大きい池かと思っていた。周囲長はわずか120mほどである。すぐ近くにある大田池なら、海は見えるし、爽快感はあるし、よほどロケ地に適しているように思うのだが、景観に入り込む巨大な観音像がインパクトは別として、きれいな池が映画映えするという素人考えを打ち砕かれた事例であった。
そう。よく考えてみれば、桐谷健太、栗山千明が、海も見える美しくのびやかな池に、どっぷりハマり込んでロケするとなれば、野次馬が岸を埋め尽くすだろう。
画角に余計なものを入れないためにも、ある程度、特定されないほど隠密裏に行動でき、ギャラリーなどをフレームアウトできる小規模さで、かつロケ隊が駐車できる駐車場を近くに備えている池となると、この池は好適だったのかもしれない。
誰もいないこの池だけを見ていると、ほんとうにあの映像と同じ場所かと愕然とするが、これこそ映像の醍醐味なのだろう。
そうはいっても、池を前にしてこう思わずにはいられない。
ほんとうに、あの池なのか?
あらためて映画の予告編を見ると、40”に堰体を歩く登場人物の背後にある小屋の屋根の色と手前に写り込んだ洪水吐のコンクリート壁、50"の登場人物の背後に見える左岸側の植生、53”に見えるインレット側および右岸側の植生から、ここで紹介している池がロケ地であると断定できると思う。
いやはや、池はおもしろい。
マークした場所は駐車場。