水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

青河江田川線の池(仮称)(広島県三次)

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青河江田川線という狭い道路を走っていて通りかかった溜め池。
古い木製の底樋ヤグラが見えていたので撮影。水位を落としていたので見えたがふだんは水没している。こんな小さな池でも流域治水の一環として水位を下げているのだろうか。
全国で溜め池をも治水に活用する流域治水の方向性が採用されてから、全国の多くの池で水位の低い状態が見られる。また、シーズンオフは池の水を抜いてリフレッシュさせる「かいぼり」が全国的に広がりを見せているのも感じる。さらに溜め池の防災意識の高まりから冬期に改修工事を行う事例も多い。
このような木製の樋も次第に消えていくだろう。樋だけならまだしも、不要な池が廃止される例も増えている。
小さな池でも、何百年も地域を潤してきた歴史があるものも少なくない。一度、廃池にしてしまうと、池のみならず水路、農地もセットの複雑な運用が失われてしまうだけに、水田の回復には数十年もの時間がかかるという試算も。

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