昭和生まれの人には大きなインパクトとともに記憶に残るカスリーン台風。日本の国土に強烈な爪痕を残したが、ここ岩手県ののどかな農地も甚大な被害を被った。この経験から県は五基の防災ダムをおよそ半世紀かけて順次造っていった。
五人兄弟の衣川防災ダム群は、湛水しないもの、貯水機能を有するものもあり、顔付きもわりとバラバラ。
農業用ダムといえば農地を潤す水をなみなみと湛えるイメージが強いが、農業用防災ダムは水をまったく溜めないタイプのものや、半分ぐらい溜めて利水機能をもつものなどあり、なかなかマニアックな存在。
衣川５号ダムは後者のタイプ。滝ノ沢ダムという本名があるのに、衣川５号ダムという荒く括った名で通る。
そういえば同県内には（100kmほど離れてはいるけど）、三兄弟の荒沢防災ダム群が親戚のような感じで、本名とは別に荒沢くくりのダム名をもっていた。
ダムを下って3kmほどで世界遺産・平泉の町に入る。
