これぞ地底の神秘! どう見ても人工的な天然池。
石垣島鍾乳洞の中にある地底湖で、コンクリート製のような明瞭な堤構造を持った池。棚池状に多段構造をしているが、よく見ると手洗い場のようなごく小さな棚池も含まれていて、その造形はアートのよう。
遊歩道が立体的に縦横無尽、ライトアップも変幻に色を変え、池を引き立てている。あまりによくできているものだから、妻と「これはどう見ても人工だろうね」と話しながら、いくら地底湖のためとはいえ、鍾乳洞にここまで手を入れるのもどうかなあなんて思っていた。そのぐらい、みごとなコンクリート護岸に見えた。
しかし人工ではなかった。
その名も「リムストーンダム」!
コンクリートも鍾乳石も材質はいずれも石灰岩だけに誤解してしまったが、この人工的な感じの地底湖は「リムストーンプール」とか「リムストーンダム」と呼ばれる天然池だった。
堤のような部分も鍾乳石。田の畦(あぜ)を連想させる形状から「畦石」と呼ばれる。
水がたまっていない場合は単にリムストーンと呼ばれ、洞内に限らず屋外に露出していることもあるそうだが、大規模なものは海外に行かなければ会えない。
国内におけるリムストーンダムは私見ながら、沖永良部島の銀水洞、沖縄本島の玉船洞、そしてここ石垣島鍾乳洞内、長寿の湖が御三家となろうか。
入場料1,200円。駐車場無料。
(取材日:2020年3月。2021年2月現在、臨時休業中)
マークした場所は駐車場。