ペリパトス空間の中の池
長津田にある東京工業大学すずかけ台キャンパス内の池。
「すずかけ台」は沿線を走る東急に東工大教授が要望して駅名として採用された経緯がある。
スズカケはもともと木の名前であり、英名はプラタナス。プラトンをはじめギリシア哲学者が議論をしたという並木道に植えられていたことからその名が付いたというアカデミックな木なのである。
地形は、すずかけ台駅からこの池に向かって下り斜面となっている。池はキャンパスのいちばん底にあるともいえる。浄水設備のようなものも隣接しており、東工大だけに何かの実験に池も使われているのかなとも思ったが、どうだろう。
キャンパスの高台の方には、地下型の雨水調整池もあった。
両池が通水しているのかは分からないが、キャンパス内の道は人車が分離されるデザインに2007年に改修され、プラトンたちが議論をかさねた並木道のように学生や教授、地域住民が交流しながら学びや閃きの場となるとの思いが込められている。
同学ではこれを哲学者アリストテレスの学園リキイオンに習ってペリパトス計画と呼んでいる。
東工大の大岡キャンパスには、ひょうたん池という池があるが、こちら、すずかけ台キャンパスの池には名前が見あたらない。スズカケというネーミングに込められたキャンパスのコンセプトが、長い時間をかけて醸成され引き継がれているだけに、仮称として用いた。