片葉のアシと片目の魚と豊臣秀吉。
下積み時代の若き豊臣秀吉(木下藤吉郎)が下僕として身を寄せていた松下家の守護神である天白神社が隣接。
そんなことから青年・藤吉郎が若いころから人並みではなかったことを表す逸話的な伝説が残っている。
研ぐように申し付けられた鎌の切れ味を試すために、藤吉郎が池のアシの葉を片方ずつ切り落とした。あまりに切れ味が鋭く、以後、この池のアシはずっと片葉のままになったとして、遠州七不思議のひとつとなっている。
もうひとつの逸話は、松の葉で手裏剣の練習をしていた藤吉郎。狙っていたのは何と池を泳ぐメダカの目。みごと射抜けるようになったとか。以後、池には世代をかさねても片目のメダカが見られたという。
片方の葉しかないヨシ(片葉の葦)という池伝説は群馬県の鏡が池にもあり、片目の魚という池伝説は兵庫県の昆陽池(こやいけ・伊丹市)、駅ヶ池(うまがやいけ・加古川市)にも見られる。
現地には「鎌研ぎの池」「木下藤吉郎 鎌研池」との表記もあった。