伊良部島と下地島は地図で見ると一見、ひとつの島に見える。しかし拡大して目をこらすと、細かいヒビ割れのように複雑に入り組んだ池がいくつも連結して、これが海峡をなして両島を隔てているではないか。
何というミステリアスな地形!!
ドリーネが連結したウバーレ池群が隆起して浅くなったことで、このような超絶地形になったのかと想像したが、とにかく現地で見てみたい!
ついでに、地図に記された「宮古島まもる君」なるものも気になる。
現地に立ってみて、やはり海峡という感覚はまったく湧かなかった。
川と池にしか見えない。違うのは水の色。島人には馴染みの色かもしれないが、とにかく目を奪われる。
池が連結したような海峡は「国仲入江」と呼ばれていた。
狭いところでは幅50mほど。橋は六本もあり、島と島をつなぐ橋というより、やっぱりふつうの川をまたぐ橋にしか見えてしまう。
北側の吐き出しには佐和田浜が広がり、津波でもたらされたという巨岩「津波石」がぽこぽこと海面上に顔を出し、奇景をかたちづくっている。
ウィキペディアでこの浜について「佐和田の浜礁湖」という記述が見られた。日本の渚百選にも選ばれている浜である。
「礁湖」とは「ラグーン」の訳でもあるが、ラグーンには「潟湖」という意味にも使われ、両者は成因が異なるものなので、まぎらわしい。
入り組んだ入江はところどころで袋小路となり、池のようになっている。
そのひとつがこれ。周囲長2kmクラスで水深は2mほどと浅い。
岸にはマングローブが茂り、マングローブクラブという英名もあるノコギリガザミというカニを獲る漁や養殖も行われている。濃厚な味の高級ガニとして島料理のひとつとして供される。