水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

千代坊池(滋賀県甲賀)

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甲賀の野池群のひとつだが、ニュータウンに取り囲まれていて、近くにいるのに池の姿がなかなか見えない。
垣間見ポイントを探して歩いているだけなのだが、ここは住宅地。はたから見れば、庭先から家をのぞき込んでいるようにしか見えないかもしれない。
他県ナンバーのハイエースを路駐などしていたら、即刻、通報だろう。これまでパトカーが来たことも数知れず。だからモンキーというホンダの極小オートバイでやって来た。
宅地化とともに消える池もあるが、この池は従来の農地から転用された家庭菜園にも水が生かされているとか。地域で池を管理できる体制にまでなっているかは分からないが、新しい可能性のひとつだと思った。
さて、モンキーにまたがってトコトコ走っていると、こんな住宅地の中でも道を歩いているおばちゃんよりも目線が下になるので、向こうも薄ら笑いをしながら見下してくれる。このオモチャのようなオートバイは学童にもなかなかの人気である。指呼して馬鹿にされる。
そんなわけでモンキーは、こんな時代の池めぐりにあって、不要に地元の不審感情を抱かれないためのステルス機材なのである。
モンキーさえもが悪事の下見などに悪用される時代にならないことを祈るばかりだ。

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現地の住宅看板には池のところに「千代ノ坊」と記されている。ご覧のように住宅がびっしりだ。
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