こうとりばべいけ。
神出野池群(かんでのいけぐん)のひとつ。
小鳥喰池とはまたすごい名前の池だが、700mほど東には、大鳥喰池という相似形の池がある。大きさも形状もあまりに似ていて、どちらが大とも小とも判じがたい。
巨大で目立つ釣り禁止看板が掲げられているが、よく見ると池名の読み仮名を振ってくれている。ありがたい! が、「こうとりばべいけ」とは、なんぞや?
にわかには信じがたい読み方だが、これだけ大々的に道路に向けてアピールしている看板なので、誤植であればさすがに誰かが指摘しそうなものだ。
看板には、養魚中につき釣りは絶対にしないようにとも記され、管理者は「小鳥喰池水利組合」とある。
こうとりばべいけ水利組合が大切に魚を育てています。もし魚に害をなす鳥がやって来たら、撃ち落として喰うてしまいますよ、という意味? なんてわけはないが、のびやかな池の相貌といい惹かれるものがある。
それにしても、こうとりばべいけ、口ずさんでいるうちに、得も言われぬ魅力に取り憑かれてきた。
池談義をしに焼き鳥屋でも行きますか、と言いたいときは、こう言おう。
「こうとりでもばべりにいくべ」
なんか、カッコいい。バベってる感じが。