「土砂ダム」という言葉を知ったのは、中越地震で最大の被害のあった山古志村を報じた新聞記事の中でだった。
土砂崩れが川を堰き止めてできた池のことで、河道閉塞湖とも呼ばれる。中越地震で集落を呑み込んだ土砂ダムのほか、上流側には古い二つの河道閉塞湖があり、山古志が地形的に土砂ダムが発生しやすいことが分かる。
二つの土砂ダムをもつ集落は「池谷」という名で、その名自体が土砂ダムを示唆している。
土砂ダムは人工ダムとちがって不安定で崩落しやすく、山津波のかたちで二次災害を引き起こす可能性があるので、いずれも人工の砂防堰堤やコンクリート流路などの防災対策が処されている。