水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

高屋敷沼(仮称)(秋田県山本)

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池近くの道ばたに雨乞いなどの祈祷をした白山姫宮鎮座所(通称・オシラサマ)という小さな社があった。案内板によると、耳を守る神様だという。水の神様でもあり、移設前の場所は沼が隣接していたらしい。
現在の場所も社の奥に池の堤が見える。
池名が分からなかったので、案内板に出ていた地名から仮称をとった。統合タイプの立派な取水設備をもつ溜め池なので名前はちゃんとあるはずだが、案内板に「沼」という文字もあったので、高屋敷沼とした。
集落を抜けて1kmほど東には羽根川溜池(羽根川ダム)があり、2.5kmほど北には釣り名所の惣三郎沼や角助堤もある。
このあたりはジュンサイの産地でもあり、農業用水だけでなくジュンサイを育てているような池もある。「沼」、「池」、「堤」の三つの名が一地域に混在している点も注目している。
そうそう、集落を抜けるとき、雪に埋もれた無人の道を、ころころとクルマの前に転がってくる、もふもふの物体があった。
ポメラニアンかと思ったが、顔が平面でタヌキみたいな、ぶさかわいさ。犬はあまり好きではないが、ハートを射抜かれてクルマを停止。相手もめずらしいのか、こちらを見上げて、ころころ動く。首輪をしていない。
ドアを開けたら最後、後先考えず駆け落ちしてしまいそうに心動かされたが、民家前なので飼い犬のはずだと視線を振り切って、クルマを発進させた。
あとで気付いた。あれこそプーチンもザギトワも射抜いた秋田犬の幼犬だったのだろう。危ないところだった。

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池、湖、沼の違いについての考察図(水辺遍路編)


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案内板の奥に、池の堤が見える。


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三門の選択取水口と一門の底樋、さらに洪水吐の機能を持ち合わせた設備のように見える。農業用に利用されていることは間違いない。
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