水辺遍路

訪れた全国1万1,100の池やダムを独自の視点で紹介

西洞池(長野県上田)

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古い木製の「土井」が顔を出していた。

「〜洞池」という名前は岐阜県美濃加茂周辺に集中的に見られる池名である。美濃加茂の場合は、寒洞池(かんぼらいけ)、太郎洞池(たろうほらいけ)のように「ほら」と読むが、上田でも同じだろうか。
池に行くためには、山の未舗装路を少し進む必要がある。
大きく減水していたが、おかげで古い木製の「土井」が水面に顔を出していた。(上の写真の右手あたり)
土井は池の水を抜くための栓を操作するためのものなので、本来は堤の基部にあるはずで、池の真ん中にぽつんとあるのは少々おかしい。満水時には水没する位置であり、すでに機能していなさそうにも見えるし、嵩上げ工事を行なった際に新しい樋を設けたのであろうか。
上田のため池には、このようにときどき土井が残っている池もあり、この地域独特の味がある。

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釣りは禁止。
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大正時代のことが記された殉難碑が立っており、よもや近代に入っても人柱かとドキっとしたが、そうではなく、「樋抜き作業」に急病で倒れた人がいたとのことである。
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上田の野池マップ。
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