めいけ。
案山子(かかし)が迎えてくれる池。
奥物部湖に渡された小さな吊り橋。クルマ一台がようやく通れる幅で、橋桁は鉄板を敷いたような感じになっている。対岸に渡って山道に入り大倉山の裏側まで行くと神池集落の入口となる丁字路に。
左に曲がると最初に迎えてくれるのが女池。
女池の横を通り過ぎると、次の丁字路で迎えてくれるのが人の行列・・かと一瞬びっくりしたが、じつはこれリアルな案山子(かかし)だった。
池の水は集落の田畑の間を流れ下り奥物部湖に注ぎこんでいる。立地的にもかつては集落の水源として利用されていたように思うが、池の面積のほとんどは湿性植物に埋もれるようなかっこうで、現在の水量は少ない。温暖な高知県にはあるが冬期はこのわずかな水面が凍結することもあるようだ。
女池というだけあって雌の大蛇にまつわる伝説があることから、歴史は長いのだろう。人の手が入らなくなると多くの池は消失してしまう。この池も晩年の姿といえるかもしれない。それでも湿性花園を思わせるような多様な植物に彩られ、穏やかに余生を送っているような雰囲気があった。
池の西岸は道路が通り、手作りの木造休憩所があり、空き缶でつくった風車がつるされた柱には、「神池の番茶です。ご自由にどうぞ」と記されている。池を見守るように大日寺があり、ここにトイレもある。大日寺は「池の大日様」とも呼ばれる。
平家落人伝説も残る神池集落には三つの池があり、この女池の他に男池、神池がある。
池畔の休憩所。写真は、空き缶で作られた風車?
池の南側から。ほとんど湿原になっている。
案内所にも、案山子が。
池の前にある大日寺には、樹齢800年の大杉も。
水辺遍路謹製マップ。