水辺遍路

訪れた全国1万1,100の池やダムを独自の視点で紹介

御釜(宮城県蔵王)

五色沼。
f:id:cippillo:20161123171200j:plain

百名山・蔵王の山頂近くにある火山由来の天然湖。

片側だけ庇のようにせり上がった独特の地形が、湖畔に影を落とし水の色を印象深くしている。この湖相によって全国あちこちにある「御釜」や「五色」と銘打たれた水辺らの中でも強烈なアイデンティティーをもって君臨する。深田久弥も「お釜と称する山上湖は蔵王の至宝とも言うべき存在」と『日本百名山』で言及している。
薄く、ときに濃く濁った緑色の湖水は条件によって色が変わるため五色沼とも呼ばれる。酸性が強いため、魚をはじめ生物は棲めない。
昭和の初めごろには60mほどあった水深も、釜のへりが少しずつ崩れて現在はいちばん深いところでも27m。それほど遠くないうちに水は消失してしまうかもしれない。
有料道路の蔵王ハイライン終点の駐車場からちょっと歩くだけで御釜の展望所という手軽さだが、11月上旬~4月下旬はアクセス路となる蔵王エコーラインと蔵王ハイラインが冬期通行止となる。
なおサイクリストには残念なことに、蔵王ハイラインは自転車で走ることはできない。

f:id:cippillo:20161123171158j:plain
f:id:cippillo:20161123171201j:plainf:id:cippillo:20161123171159j:plain


天空感満天の駐車場。
f:id:cippillo:20161123171155j:plain


マークした場所は駐車場。