水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

大峰古沼(群馬県みなかみ)

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ミズナラに覆われる、アンチ・シシ神の森。

大峰沼への登山道をのぼっていく途上に見落としそうな小さな分岐がある。実際、大峰沼への往路ではGPSハンディナビに頼りすぎて見落としてしまった。
帰路、注意深く歩いていると古沼への分岐を示す案内板があった。

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道の大部分はイノシシに掘り返されて、もこもこしている。と、古沼が現れた。ほとんど映画『もののけ姫』に出てくるの「シシ神の森」の世界である。こだまが横でけらけらっと笑っていそう。しかし厳密にいうと『もののけ姫』が描くシシ神の森は照葉樹文化圏。この映画にはじつは従来の照葉樹文化圏を、アシタカ、エボシ御前をはじめとするミズナラ文化圏が浸食していくという裏テーマもあるなんていう話もあるので、ミズナラが茂るこの森は、むしろアンチ・シシ神の森というべきで、こだまが笑っていそうなんていうと怒られるかもしれない。
登山道の案内看板で見ると、古沼が登山道のすぐかたわらにあるような印象を受けるが、登山道からはまったく見えず、分岐から少し歩く。このギャップに気をつければ見落とすことはないだろう。
アオモリガエル繁殖地として群馬県の天然記念物に指定されているが、アオモリガエルが好むのは、いつもこうした薄暗い水辺である。

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この看板には「古沼」ではなく「石沼」と記されている。誤記であろうか。
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マークした場所は大峰山登山口駐車場。