水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

石河内ダム(宮崎県木城)

豊かな水量を誇る九州屈指の多雨地帯で、一ツ瀬ダムを筆頭に水力発電ダムが集まるダム銀座。
ここを訪れた2016年7月末、激しい夕立に見舞われ、熱せられた路面からもうもうと湯気が上がっていた。地図では「戸崎ダム」とある場所に着いたが、うまくダムを見つけられない。かわりに「石川内ダム」という地図にはない立派なダムがあった。
上流にある松尾ダム、渡川ダムと上がっていく予定だったが、道路工事の関係で松尾ダムより上流側は日中は1日に5回、20分ずつしか通行できない。なんとか16時までに抜けないと一時間、待ちぼうけをくらう。迂回路はない。
こんな事情もあって、ゆっくり戸崎ダムと石川内ダムを探すこともできず、異常な湿気のせいでカメラのレンズは曇り、拭いても拭いてもキリがない。
湖畔の駐車場にあった案内板によると、石川内ダムは揚水式発電の下池ということで、流量の変化の大きさに対処するため、油圧シリンダで開閉する巨大なゲートを四門備えているという。撮影できなかったのが心残りだ。
また大瀬内ダムとかなすみダムによって堰き止められた上池は、山頂部をくり抜いた巨大なプール状の貯水池で、湖底全体を舗装したアスファルトフェイシングの池としては国内最大級という。またいつか行ってみたい池である。