水辺遍路

訪れた全国1万1,100の池やダムを独自の視点で紹介

辻川山公園の池(兵庫県福崎)

池から出現するカッパの時間差攻撃に驚く人々

妖怪増殖中で話題の池

「日本民俗学の父」と呼ばれる柳田国男の生家跡や記念館、展望台などがある辻川山公園。
遠野でカッパや座敷童を見出した柳田國男の原点となる里の水辺を再現しただけあって、ここの池はかなり凝った妖怪ギミックが待ち受けている。話題が話題を呼び、2022年の再訪では園内のみならず町中のあちこちに増殖した妖怪を目にして驚いた。

池のかたわらに置かれた顔ハメ看板。ここまで過激な顔ハメ看板を見るのは初めて。もちろん昔はありませんでした。(2022年撮影)

 

カッパが池の中から

カッパの河太郎が手にしているものは・・

観光バスがやって来るほどに、この小さな池を有名にしているのが柳田国男と水木しげるが全国に広めたカッパをはじめとした妖怪たち。
池畔でヤンキーずわりをする河太郎が手にしているものは、人間の股から抜き取った好物の尻子玉。ちなみにこの河太郎はブロンズ像ではなく、皿の水がなくなって動けなくなった河太郎ご本人ということ。




カッパの河次郎が口に入れているものは・・

池の中から泡とともに現れてくるのは弟の河次郎

干からびてしまった兄とは違い、こちら現役で子どもの尻子玉を抜くという話も、公園造成時に柳田先生にあやかって創作した公園伝説。
しかしながらこの河次郎の造形と登場の演出があまりによくできていて、泣きだす子ども続出とか。




 

河次郎の出現時刻表

2016年の初訪時にはトイレ前の掲示板に河次郎の出没時刻表が貼ってあったが、見ていたら時刻表と違う時間にも出てきているような。そんな演出がまたこころにくい。

福崎駅前の河次郎

なんでも公園と駅前を地下水路で行き来しているということである。公園池の方にいないときは移動中か、駅の方で人を驚かしているそうだ。

動画

撮影するには、池底から湧き上がってくる泡とか、水面をかすめるツバメとか、跳ねる鯉などに惑わされず、時計にも惑わされず、ただじっと水面から目を離さないこと。油断していると最大のシャッターチャンスを逃がしてしまう。


逆さ吊りの天狗

池畔にある天狗のブロンズ像に加え、新たに20分ごとに小屋から逆さ吊りでがーーっと出てくるカラクリが。

あれ? 妖怪が増えている?

これらは以前はなかったような。



 

公園池とは思えないマニアックな野池ディティール

ため池の濃厚な味付け

岸ぎわの水面を覆ったハスやヒシモを受け止めてアシが茂っているところがあると思えば、奥には小さな水田があり、小鮒やアメンボが戯れる浮き草と草地の護岸に木留めの護岸があったりと、この小さな池に古き良き「野池」の要素をマニアックに詰め込んでいる。

マブナの魚影

岸辺でちょろちょろしている魚がマブナの稚魚というあたりもマニアックであるが、なんといっても野池ファンを唸らせてくれるのは池岸に立つこの看板。福崎の野池で実際に使われているものと同じ仕様!
これは感涙もの。

全景


 

公園要素

柳田国男生家




歴史民俗資料館

入館料無料。月曜休館。



 

柳田国男と水辺

民俗学の父・柳田国男

『遠野物語』で東北山間でひっそりと語り継がれてきた河童や座敷童の存在を全国に知らしめた。

上椎葉ダムと柳田国男

柳田国男は九州の山奥にある平家落人の里・上椎葉村で古老から聞いた話をもとに、日本で初めて民間伝承や土着風俗を民俗学という学問に体系づけたとされている。上椎葉ダム湖の奥にあるこの集落は現在「民俗学発祥の地」として柳田国男を顕彰している。

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昆陽池と柳田国男

兵庫県の昆陽池では片目の鯉を採話。

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ダイダラボッチ伝説と柳田国男

長野県戸隠の大座法師池に残る「ダイダラボッチ」と呼ばれる巨人伝説に関しても柳田国男は考察を残している。

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無料駐車場・公衆トイレ

池の奥が駐車場。その奥の建物は物産館。




 

福崎町の妖怪スポット



 

カッパカレーとベンチの幽霊



 

マップ

園内外のマップ



Googleマップ

マークした場所は駐車場入口。