水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

沢の池(岡山県岡山)

さわのいけ。
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日本三大庭園のひとつ岡山後楽園は、水路と池が織りなす人工水辺の極地。

別名、烏城(うじょう)。隣県の白鷺城(姫路城)と対照的に黒漆をまとったブラックの天守閣が精悍な岡山城は、後背を流れる旭川を天然の堀として利用した近世の平城です。
江戸時代になって太平の世が訪れると、旭川をはさんだ城の後背地に壮大な庭園が造られました。国の特別名勝、日本三大庭園のひとつに数えられる岡山後楽園です。
この庭園の特徴は川にはさまれた中洲という立地を利用して水路がめぐらされ、曲がりくねりながら茶屋や建物、築山のあいだを抜けつつ、園内の三つの池に季節ごとの表情を与えていることでしょう。人工水辺の美の到達点がここにあります。
沢の池はその位置、規模ともに後楽園の中心構成要素となっており、池を見おろす唯心山を従え、茶室や釣殿(つりどの)をいただいた三つの小島を浮かべ、堂々たる存在感。池ごしにそびえる天守閣という絵はがきのような姿は、岡山のシンボルといって過言ではないと思います。
旭川をまたぐ吊り橋を渡って岡山城へと足をのばすこともできるので、天守側からお殿様気分で池を見おろすのも一興。朝早くからたくさんの外国人も散策を楽しんでいました。
入場および駐車場有料。

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沢の池を見おろす唯心山。
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園内をめぐる水路の水は、現在は旭川からポンプで汲み上げられているが、かつては四キロも上流から高低差を利用して導水していた。
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水路の一角にある「流店」。建物の中を水路が通っているなんて、水辺好きにはたまらない。
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園内図。水辺遍路謹製(上)と、現地の案内板(下)
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マークした場所は有料駐車場入口。