水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

竹山池(神奈川県横浜)

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マニア心をくすぐる? 高度成長ノスタルジーを湛えた水辺。

今回は素晴らしくマニアックな池を紹介します。
池が造られたのは、周辺の竹山団地の造成と同時で1970年。時は高度成長期。
上の写真は当時の写真・・ではありません。2016年のものです。
めざましい日本の経済発展とともに東京近郊の各地に巨大団地が生まれました。横浜駅からわずか二駅、ここ竹山団地もそのひとつ。ただ他の団地と異なるのは、ヨコハマらしい瀟洒な試みとして、団地のセンターゾーンに巨大な人工池を造ったのです。
それが半世紀近いエイジングと時代の潮流の変化を受け、今、他にはない何とも不思議なノスタルジー感あふれる空間となりました。変わったのは団地や池ではなく、私たちの方なのかもしれません。
2015年のタウンニュースによれば、住民が憩えて多くの人が訪れたくなる場として竹山池を再生させようと、まず水質浄化のため10基の人工浮島を設置したということでした。今後も、外来生物対策と生物多様性の確保(単なる駆除ではなく共存を模索しているところがすごい)、植栽の見直し、親水空間の整備などを三年計画で検討しているということで楽しみな反面、他では見られない希少なノスタル感がなくなって、ふつうの小綺麗な公園になってしまうのも、何だかもったいないような気持ちになってしまうのでした。

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