水辺遍路

訪れた全国1万1,100の池やダムを独自の視点で紹介

鷹島海中ダム湖(長崎県松浦)

鷹島ダム。

国内唯一の海中ダムとしてダム湖100選に。

鷹島は鎌倉時時代のモンゴル襲来で最後の決戦がくりひろげられた島で、「元寇終焉の地」として海をのぞむ地に慰霊碑が立っています。
鷹島は周囲43kmの島で、慢性的な水不足に対処するため平成6年に日本初かつ唯一の海中ダムとして鷹島ダムが完成しました。
「海中ダム」と聞いて、海底に横たわる幻想的なダムを漠然と想像していたのですが、当然ながらそんなものがあるわけもなく、実際には入り江を堰堤で締め切って脱塩、淡水化させた池が広がっていました。

いってみれば人工の海跡湖といった風情です。現在、鷹島の灌漑用水のほぼすべてをまかなっている島の農業の生命線となっています。

「海中ダム」として特徴的なのは、堰体の真下が漁港になっていることでしょう。これは確かにめずらしい光景。堰体壁面には元寇が描かれ、堰体上は道路になっていてクルマも走れます。

上の写真の奥に見えるよ橋は鷹島肥前大橋。鷹島と九州本土を結ぶ全長1kmを越える斜張橋で、本土側は佐賀県、島側は長崎県。橋の長崎県側には道の駅もあり、観光拠点になっています。