水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

佐久間ダム(静岡県浜松)

佐久間湖。
f:id:cippillo:20151010111331j:plain

釣り人のあいだで佐久間ダムといえば千葉県南房総を思い浮かべるだろうが、ダムファンにとってはダム湖100選にも選ばれた静岡のこちらのダム。
貯水池名もよく混同されるが、正確には千葉の方は「佐久間ダム湖」でこちらは「佐久間湖」。
全国的に快晴の好日に訪れたにもかかわらず、佐久間ダムに近づくにつれ激しい雷雨に。いくつもの素掘りのトンネルを抜けながら標高を上げ、やっと堰体横に到着したときは、視界が真っ白になるほどの土砂降り。
雷鳴が轟くと、手が届きそうな低い雲の中を戦闘機が駆け抜けるような轟音に足がすくむ。雷の音が雲の中を「走る」という感覚を初めて体験した。米軍基地のお膝元・相模原の釣り場で頭上を通り過ぎていく戦闘機・・一瞬で場を凍り付かせるあの雰囲気とよく似ていた。
国交省が参画し多目的ダム化が進められた佐久間ダムであるが、もとは電源開発のため、新豊根ダム(みどり湖)を上位貯水池とする揚水発電の下池でもある。
堰体横には佐久間電力館と駐車場がある。佐久間湖右岸を上流に沿って走る県道1号線は天竜方面に抜けることができるが、悪夢のように延々と繰り出されるタイトカーブに辟易させられることだろう。
とくに好きな場所ではないのに、オートバイに乗っていた若いころから、なぜか吸い寄せられるようにここを通ってしまう。そしていつも不思議に懐かしい気持ちになる。思えば切手収集に熱中していた小学生のころ、佐久間ダム完成の記念切手がお気に入りだった。値段が手ごろで小学生のお小遣いでも買えるかっこいい切手だった。切手の呪縛か、また吸い寄せられるように、ここに来てしまった。

f:id:cippillo:20151010111332j:plainf:id:cippillo:20151010111330j:plainf:id:cippillo:20151010114917g:plain


bunbun.hatenablog.com
bunbun.hatenablog.com


マークした場所は電力館駐車場。