【おんたけこ。牧尾ダム】
木曽の山奥から、はるか中京圏を支える水がめ。
愛知用水の水源として中京圏の上水道、農業、工業に大きく寄与する牧尾ダムだが、信州のこんな山奥から愛知の田園都市を支えていることに驚いた。管理は水資源機構なので国営ダムに準ずる。
ダム名は牧尾ダムであるが貯水池名は御岳湖。名の由来となった御嶽山(おんたけさん)は、富士山のように圧倒的な重量感でどっしりと存在感を放つ3千メートル峰であり、山岳宗教の長い歴史をもつ。2014年に多数の犠牲者をだした戦後最大の噴火災害も記憶に新しい。
初めて訪れた2015年、湖水は無気味なほどのエメラルドグリーンだった。2019年夏に再訪したところ、湖水からエメラルド感は完全に消えていて驚いた。貯水池の印象がこうまで変わるとは。
インレット側にカヌーツアーの出艇スロープがあるが、団体利用専用なのでマイボートの持ち込みや無断利用は不可との看板があった。ダムカードは堰体横の管理所で配布されている。
堰体の見た目はちょっと独特。山をはさんで重力式コンクリートダムとロックフィルダムが並んでいるのかと思ったが、形式としてはロックフィルになるらしい。ラジアルゲート四門を備えた何とも立派な洪水吐。どういう運用をしているのだろう。
堰体下部、というより堰体基部というべきか、そこに穿たれた巨大な穴に心を奪われました。
管理トンネルも見えますが、どこにつながっているのでしょう。牧尾ダムは堆砂が深刻ということなので、排砂ゲートかなと思ったりしましたが、溜め池でいうところの底樋門でしょうか。にしもスケールがビッグ!
泥水が吹き出しているところなど、ぜひ見てみたいものです。