水辺遍路

訪れた全国1万1,450の池やダムを独自の視点で紹介

小菅フィッシングビレッジ(山梨県小菅)

2024年8月撮影

「池尻」の字名にある村営の渓流釣り場

せり出した尾根が川筋をさえぎるように幾重にもつらなって青みがかっていく。小菅川の渓流を何ヶ所も堰き止めて池状にしたタイプの管理釣り場。源流といいながらもフライフィッシングでバックキャストのスペースも充分な広い河原を、初心者でも歩きやすいように砂利でならされている。深い山あいであることを忘れてしまうほど開放的だ。陽光がさんさんと降りそそぐ。
村営の施設ということもあり、ドライブの休憩スポットのような感じで駐車場やつり資料館が開かれていることも開放的な空気に寄与しているのかもしれない。近くにある私営の小菅フィッシングガーデンが隠れ里的な釣り場であるのと対照的である。
この一帯の地名は「池尻」。周辺に池はないので、ヤマメ養殖の成功とともに発展した小菅村の歴史にゆかりの深い地であることが推察される。ここから下流側は再び谷が狭くなり、池のようにできるスペースはなくなる。まさに池の尻というわけだ。

2015年撮影。下は左が2015年、右が2024年。川の左側の木がなくなっていて、橋の欄干の色も青から茶色に塗り替えられている。
 

 

釣り

対象魚はイワナ、ヤマメ、ニジマス。釣法はエサ釣り、ルアー、フライ、テンカラと本格派から家族連れまでが楽しめるようになっている。バーベキュー広場もあり、釣った渓魚をさばいて食べる味は格別だ。
2015年に訪れた際は、つり資料館という立派な建物があったが、中の展示はほこりをかぶった渓流ジオラマのほかは観光パンフレットが置いてあるぐらいだった。都会のやる気のある若者を館長として呼べば、きっと見違えるような場になりそうだなあと思ったものだ。

2015年撮影


小菅村と特産品

道の駅(2024年)

日本で初めてヤマメを養殖

小菅村は民営としては日本で初めてヤマメの養殖に成功。
この村ではヤマメは「渓流の女王」と呼ばれる特産品。

ヤマメのアンチョビピザ

道の駅内にある。


日本唯一のキングサーモン交配種「富士の介」

地酒

甲州くくりではあるけど。


キャンプ場も多い

2024年夏に娘夫婦、孫と利用。

 

松姫トンネルの開通でアクセス性向上(2014年)

川の下流側にはキャンプ場、上流側には川を利用した別の管理釣り場がある。対岸側には道の駅と日帰り温泉。アスレチックもある。
往年の秘境も2014年11月に難所・松姫峠をバイパスする全長3kmの松姫トンネルが開通するなど道路事情がよくなったことで気楽に立ち寄れる魅力的なレジャーフィールドになった。夏の休日には道の駅の駐車場がいっぱいになるほどの人出だった。


 

マップ

現地フィールドマップ

小菅村ホームページより抜粋。


水辺遍路マップ

Googleマップ

マークした場所は駐車場。