【さやまいけ / 狭山池ダム】
古事記にも登場! 池博物館もある「日本最古のダム池」
築造はなんと7世紀前半で国の史跡にも指定された人造湖。古事記や日本書紀にもとりあげられた日本最古のダム式の溜め池でもある。
ダム式の池は単に地面を掘った池ではなく、河川を堰き止める高度な築堤技術と労働者の組織だった動員が求められるだけに、はるか千年以上も前にそういったものが確立されていたことに驚く。
さすがダムの元祖だけあって、堰体下には池名を冠した狭山池博物館があり、建築家・安藤忠雄の手による現代建築の室内にダイナミックに納められた旧取水塔や底樋菅などの実物展示に圧倒される。
狭山池の立地
自治体名にもなっている「狭山」の名も興味深い。今でこそ町が広がる広大な平地だが、もともとダムは山と山が狭まる谷間に造るもの。明瞭な谷池地形ではないものの、見通しのいい広い幹線道路を通っていると、池に近づくにつれ緩やかな窪地になっているのが分かる。
狭山池の構造と機能
堰体
堰体にはバリアフリーのスロープも設けられている。堰体天端は遊歩道。取水塔も見える。
昭和の水害を受け、洪水調節機能を追加
洪水吐は計3門あり、アーチ形状のものも。
西除洪水吐
東除洪水吐
流入水路
少年たちがワームでちくちくやっている。鯉をワームで? と思ったら、なんとこの魚の正体はナマズ。大量のナマズが群れていた。
ただ、ルールとしては釣り禁止なので大人は真似しないように。(2015年撮影)
取水塔
狭山池の施設・設備
狭山池博物館
池好きには痺れる充実の展示。なのに入場無料。素晴らしすぎる。
旧取水塔のまるごと展示
堤体の輪切まるごと展示
1400年前の築造時からの堤の年輪を、金太郎飴のように見ることができる秀逸な展示技術。このような展示は世界初だとか。
古い層には敷葉工法に使われた小枝などが含まれている。
古い底樋のまるごと展示
池博物館の池
狭山池公園
池の周回路は一周3km弱。
龍神社
浮かぶ小島は龍神社。
駐車場
案内板
池資料館の展示物
狭山池の歴史
池溝の築造
狭山池の改修には各時代の池界のスターが携わっている。奈良時代の行基、鎌倉時代の重源、江戸時代の片桐目元。
築造当初(飛鳥時代)の堤長は300mほどだったが幾度もの回収を経て大型化した。
律令国家による改修
行基の改修
慶長の改修
木製枠工を使った。
木製樋と石樋の合わせ技
狭山池の改修絵図
西除の改修計面図
尺八樋の登場
底樋門
石樋
樋の材料には軍船の木材を流用
石棺を流用した石樋
地図
ニッポン湖沼図鑑マップ
Googleマップ
マークした場所はトイレ・駐車場。