大蛇と美女お万にまつわる悲話が伝わる。
かつてこの地に造船所があり、見上げるような大船を造った。進水式の日は村人が集まりたいへんなにぎわい。棟梁が意気揚々と掛け声をかけるが、舟はいっこうに動かない。じつはこれ、この池に棲む大蛇が意地悪をしていた。そんなことも知らず衆目の面前で恥をかいた棟梁は逃げだす。
これを聞いた棟梁の恋人で、漁師の娘のお万という美しい女がやにわに動かぬ船の舳先に立ち、陣頭指揮をとった。驚きあわてた人夫たち、ジャンヌダルクに率いられたフランス軍のように火事場の力を出して出船に成功する。そのとき、池の水面にあやしいさざ波がたち、大蛇が現れお万を水の中に引っ張り込んでしまった。以来、この池を人々はお万様、お万ヶ池と呼ぶようになったという。
海水と淡水が二層になった不思議な池。
池は200mの水路で海と通じている。一般に汽水湖と呼ばれるが、この池の場合は潮の動きに影響されないのか海水の層の上に淡水層がのっかる二層構造になっている。魚類は、フナ、鯉の他に、ハゼ、シーバス、クロダイ、キチヌ、ボラが生息。
水面で激しくジャンプする魚を見たが、おそらくボラであろう。
案内マップをよく見ていると、お万ヶ池に寄り添うように龍神池という小池があった。
駐車場と案内板
お万ヶ池公園として整備され、駐車場50台。遊歩道があり、のんびりできる。
池ごはんにもうってつけ。とにかく静か。
近くに天主堂や天草ロザリオ館
フィヨルドの地形をもつ一帯は隠れキリシタンの里でもあり、大江天主堂や天草ロザリオ館が池から1kmほど北にある。
道の駅もできていた。
天草ロザリオ館
大江天主堂
Googleマップ
マークした場所が駐車場。