水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

上窪池(長野県上田)

かみくぼいけ。泥池。

上窪池はかつて泥池とも呼ばれ、池端には小さな神社がある。無住の神社だが、きれいに掃除され、地域で池の守り神として、たいせつにされてきたことがうかがえる。驚いたことに、この神社の御神体は、なんと池の「泥」。
海のない長野県や山形県では貴重なタンパク源として溜め池で鯉を育て、農閑期の水抜きで鯉を獲って食用にする文化が見られるが、上窪池は全国ため池100選にも選ばれている塩田平ため池群のなかで、最初に鯉の養殖が行われたエポックメーカーでもある。やがて周辺の池でも養殖が盛んになり「塩田鯉」ブランドで、最盛期の昭和50年ごろには年間1千トンも出荷されていた。
池は皿池タイプだが近くの山なみも美しく、ため池天国の塩田平でも特に好きな池となった。
「許可なく釣りをすることを禁ず」の看板も、単なる釣り禁止と違って含みがある感じでおもしろい。どういう許可なのか気になる。

上窪池は江戸時代(1645年)に池を改修するまでは「泥池」と呼ばれていました。
 昭和32年の新農村建設で、ため池を使って養鯉を計画しました。その先頭に立ったのが上窪池です。これが成功し、塩田平の他のため池にも広がり、昭和50年頃には生産量が1千トンを上回り、「塩田鯉」として全国に名をとどろかせました。
 現在、上窪池のほとりにある泥宮の境内に「塩田鯉」と刻まれた石碑が建っています。
(長野県ホームページより抜粋)

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