水辺遍路

訪れた全国1万1,850の池やダムを独自の視点で紹介

邑智潟(石川県羽咋)

【おうちがた / 千路潟、菱潟、大蛇潟】

邑智潟(2014年)

「大蛇潟」の異名もある大蛇退治伝説のある沼沢

「邑知潟断層帯」と、大きな断層帯の名に湖名が冠せられている。成因タイプは天然の海跡湖で、江戸時代には現在の四倍の面積があり、汽水湖であることから重要な漁場でもあった。
現在は市名にもなっている羽咋川の一部で、細長い形状。ほとんど川と見分けがつかない。吐き口には潮止め水門が設けられており淡水化され、厳寒期には寒ブナ漁が行われている。

製作中の「ニッポン湖沼図鑑」より(2026年1月 ver.1.2)

干拓によって河川にしか見えない細長い形状に

邑知潟は湖面の多くが干拓によって農地となったことから、湖岸線の99%は人工湖岸となっている。見た目ではアシが茂る湖岸が続き人工には見えないが、空撮すると直線的な湖岸が人工的。
湖畔には公園や観光駐車場などの施設や設備はなく、とっかかりどころが分かりにくいのが難ではあるが、そんな素気なさも邑智潟らしさ。しかし、せめて大蛇退治伝説ゆかりの神社なんかがあれば行ってみたい。


 

投網漁と寒ブナの刺身

漁期は12月から2月中旬の厳寒期

邑智潟では投げ網による寒鮒漁が毎年12月から2月中旬の厳寒期に続けられており、フナの刺身や洗い、スズメ焼き(串焼き)など郷土の味としてフナ料理が今なお愛されている。
冬場が漁期なのは、フナの身が締まり脂が乗るため。

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フナの種類はヘラブナ!

フナの種類はヘラブナで、大きいものは体長50センチにもなる。ヘラブナはゲームフィッシュの対象となる人工改良種で、四国の満濃池をはじめ各地で養殖が行われているが、食べたことはなかったので驚いた。しかも刺身で??? ヘラブナの原種にあたるゲンゴロウブナはきわめて美味との話もある。
フナ寿司で有名な琵琶湖はニゴロブナという種類。石がま漁でフナを漁獲してきた鳥取の湖山池でも食用はマブナ(ギンブナ)主体のようだ。

岡山で見つけたフナお造り

下の写真は邑智潟の寒鮒ではないが、2025年に初めてフナの刺身(お造り)を食べた時のもの。白い粒は卵をまぶしたと思われる。コイよりも強烈な泥くささが癖になる感じ。産地は岡山、購入場所は鳥取の道の駅。

邑知潟産の寒ブナ刺身(洗い)

2026年1月、邑知潟の地元である羽咋の町の魚屋さんで見つけた、邑知潟での寒ブナ漁で水揚げされたヘラブナの刺身。
昼過ぎに訪れたところ、ラスト1パック。地元の人は昔から季節の味覚として親しんでいるので、棚に並べると、すぐに売り切れになるという。
ショウガと醤油でいただくのがご当地流。小骨がけっこうあるが、地元の人は気にせずバリバリ噛んで飲み込むそうだ。酢味噌ではなくショウガというのには驚いたが、いただいてみると、川魚独特の風味を消し去るのでなく、むしろ積極的に楽しむ感じで、ツブ貝のような歯ごたえが素晴らしく、箸が止まらず1パックを食べてしまった。

2026年1月、地元の魚屋さんで見つけた邑知潟の寒ブナ漁で水揚げされたヘラブナの刺身。昼過ぎに訪れたところ、ラスト1パック。地元の人は昔から季節の味覚として親しんでいるので、すぐに売り切れになるという。ショウガと醤油でいただくのがご当地流。小骨がけっこうあるが、地元の人は気にせずバリバリ噛んで飲み込むそうだ。酢味噌ではなくショウガというのには驚いたが、いただいてみると、川魚独特の風味を消し去るのでなく、むしろ積極的に楽しむ感じで、ツブ貝のような歯ごたえが素晴らしく、箸が止まらず1パックを食べてしまった。




 

釣りと漁業権

釣りの対象魚としては、ブラックバス、ライギョ、へらぶな、鯉。
フナには漁業権が設定されており、バスアングラーと漁業者、農業関係者、工事関係者とのトラブルもたえないため、地元の釣り人を中心に釣り禁止措置を回避するべくマナー向上の努力がなされていた。
潟の周辺は多くが農地で、細い農道が通っている。一般車通行禁止の看板も散見され、トラブルの多さを物語る。
漁港エリアの通年釣り自粛をはじめ、ハクチョウ飛来地でもあることから、2014年の初訪時は期間限定の釣り自粛エリアも設定されていた。



左は2014年、右は能登地震から1年が経過しても通行止めのままの2025年。



 

邑智潟の見どころ

羽咋川潮止水門

邑智潟横の白鳥飛来池


 

Googleマップ

マークした場所は、邑知潟の寒ブナが買える魚屋さん。