あかおおおつつみ。
福井県内800のため池で唯一、ため池100選に。
奥越の六呂師高原は火砕流によってできた浸透性の火山灰土壌のため、昔から水に苦労してきた。農業用水を確保するため多くのため池が見られる。
そのひとつである赤尾大堤は高原の裾に静かにたたずむ。福井県に800ほどあるため池の中で、唯一、全国ため池100選に選ばれた。
遮水性を確保するためだろう、池はほぼ全周にわたってコンクリート護岸の皿池状。大堤というほど大きくもなく、これといった特徴も見られない。観光要素もない素朴な池ながら周辺の棚田を潤した初夏の景観は一服の涼味がある。
ぜひ冬に訪れたい越前大野。
赤尾大堤のある六呂師高原を下った盆地にある大野の城下町は10月から3月にかけて気象条件がそろうと、まるで鍋の底のように朝霧がわだかまり市街地を乳で満たしたように覆い包んでしまう。このとき市街地よりわずかに小高くなっている亀山の頂が霧の上に現れ、天守閣のシルエットをくっきりと浮かび上がらせる。
このようなことから越前大野城は「天空の城」のイメージが先行しているきらいがあるが、雲海のすぐ下は市街地が広がっているので、霧がない平常時の景観との違いに驚くかもしれない。
満水の赤尾大堤(2016年春撮影)
500m南に赤尾新大堤がある。
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