南陽市のお膝元の田園の池。日本一小さな「湖」とも?
南陽バイパスの東側、丘陵に囲まれた低湿地帯にあり「湖」の名称がついているものの水深はきわめて浅く、最大でも1〜2m程度。一般的に5m以上が目安となる「湖」の基準からははずれる。
湖周はウィキペディアでは3.5kmとなっているが、常態的な周長は1kmほど。全体的に沼といった方がいいような浅い沼沢池なので、増水時と渇水時では大きく湖周が変化する。
日本一小さい「湖」ともいわれているようだが、どうだろう。
全国の湖沼をめぐってきて感じる範囲では、もっと小さい湖は少なからずありそうだ。ただ観光目的で響きのいい「湖」を池名として名付けたケースがほとんどで議論はあるだろう。それを除外しても、もっと小さい池はあるので、正直、日本一小さい「湖」とまではいえないのではないかと考えている。
そんなことはどうであれ、この池の素晴らしさに変わりはない。近くを通れば必ず立ち寄りたくなる水辺である。
初めて訪れた2013年5月は池から水があふれだして道路まで冠水。400mほどハイエースをバックさせた思い出のある水辺であるが、翌14年には大雨で周囲の水田も含めて大規模に水に浸かった。
かつてはアブラハヤが多く生息していたようだが、2006年の山形県内水面水産試験場による生息魚類の調査では、へらぶな、オイカワ、ブラックバス、コイ、ライギョ、ナマズ、モツゴ、メダカ等が確認されている。コイは2004年のコイヘルペスウイルスの蔓延によって激減したが個体数は回復しつつあるという。釣り人にも人気の池だが、コイの持ち出しは県の告示によって禁止されている。
バイパス近くでアクセス性がよく、池の西側に比較的広い駐車スペースと簡易トイレあり。
鳥居前に駐車スペース。水があふれていた2013年5月(上)と通常水位の2016年4月(下)。
冠水の中、根性で釣りをしている人がいた。(写真の鳥居の右側)
マークした場所が駐車スペース。